2009年1月17日 (土)

「アルス・エレクトロニカ」3月6日まで作品募集。

Aec_fassade01

ヨーロッパにおける代表的なメディアアートの祭典「アルス・エレクトロニカ」は今年で30周年を迎え、この1月には新しいアルスエレクトロニカセンター(写真)もオープンしました。

コンテストとしては23回目となる「Prix ARS Electronica」は3月6日まで作品を募集しています。各部門ともウェブサイトからエントリー可能です。興味のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

なお、第12回メディア芸術祭では、新アルスエレクトロニカセンターで企画を担当している日本人アーティスト小川秀明さんによるプレゼンテーションとPrix Ars Electronicaの作品上映を2月4日に予定しています。

■Prix Ars Electronica2009
http://prixars.aec.at/

募集締切 2009年3月6日
募集部門 Computer Animation / Film / VFX
       Digital Musics
       Interactive Art
       Hybrid Art
       Digital Communities
        [the next idea] Grant
       Media.Art.Research Award
       u19 - freestyle competition
問合せ先 info@prixars.aec.at

■第12回文化庁メディア芸術祭
http://plaza.bunka.go.jp/
会期 2009年2月4日-2月15日
会場 国立新美術館【入場無料】

Ars Electronicaプレゼンテーションと上映
日時 2009年2月4日(水)13:00-14:30
会場 国立新美術館3F講堂【当日先着順250名】
出演 小川秀明(ARS Electronica, Artist and Creator)

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2008年9月16日 (火)

Ars Electronica 2008 レポート(10)まとめ

Photo

アルス・エレクトロニカは9月9日に全日程を終了しました。事務局によると来場者総数は35,900人、アーティストやスピーカーは25ヶ国から484人、マスコミやジャーナリストは35ヶ国から516人と発表されています。来場者数は昨年から大幅に増えています。

来年の1月2日には新しいアルス・エレクトロニカセンターがオープンし、30周年を迎えるアルス・エレクトロニカは今回以上に盛り上がることでしょう。

Animation_next

メディア芸術祭としては2003年から、(1)メディア芸術祭の受賞作品と受賞アーティストの紹介、(2)メディア芸術祭の海外PR、(3)海外のメディアアート作品リサーチ(4)海外のメディアアートフェスティバルとのコラボレーション促進などを目的として、アルス・エレクトロニカに参加しています。

メディア芸術祭の優秀作品上映である「Japanese Animation」も6回目となり、今回も人気プログラムとして多くの方に日本作品を紹介することができました。さらに今回は東京大学の展示「campus08」とあわせて、メディア芸術祭の学生作品を紹介する「Animation Next」を初めて実施しました。在オーストリア日本大使館の坂本公使にもご覧いただきましたが、メディアアートの分野での日本人の活躍に感心されていたようです。

Party

今回の活動を通して世界中のアーティストや研究者、フェスティバルディレクター、キュレーターとの新たな出会いがありました。この出会いを日本のメディア芸術の発展に活かしていきたいと思います。

最後になりますが、日本から出展されていたアーティストや関係者の皆様、本当にお疲れさまでした。阿部芳久(CG-ARTS協会)

ARS ELECTRONICA 2008 

http://www.aec.at/en/

開催地 オーストリア・リンツ

会 期 200894日(木)-99日(火)

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第14回学生CGコンテスト作品募集 (9月19日まで)
第12回文化庁メディア芸術祭作品募集 (9月26日まで)

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2008年9月15日 (月)

Ars Electronica 2008 レポート(9)ドナウ河畔のミュージカル

Tosca01

リンツ市ではリンツ出身の音楽家であるブルックナーの名前を冠した「ブルックナー音楽祭」を毎年開催しています。アルス・エレクトロニカもこの音楽祭に併せて開催したのが始まりでした。

そのような歴史もあり、アルス・エレクトロニカにはデジタル音楽部門の賞があり、フェスティバル会期中を通して音楽関係のイベントも数多く行なわれます。オーケストラとメディアアートを融合させたイベントや、デジタルミュージックのコンサート、DJイベントなど多彩です。スケジュールの都合であまり参加することは出来ませんでしたが2つほど紹介しましょう。阿部芳久(CG-ARTS協会)

『tosca』 

Tosca02
9月5日(金)、PRIX ARS ELECTRONICAの受賞式が終わった夜10時から、市内の大聖堂を会場にして電子音楽と映像のコラボレーションイベントが行われました。出演したtoscaは1997年にRupert HuberとRichard Dorfmeisterの2人によって結成されたユニット。日本のアニメをフィーチャーした映像に合わせての演奏は会場の雰囲気とあいまって独特の雰囲気を醸し出していました。http://www.lastfm.jp/music/Tosca

『Herzfluss - Visualisierte Linzer Klangwolke』

Klangwolke01
9月6日(土)の夜にはドナウ河畔でシアトリカルイベントが行なわれました。かつては富田勲氏がシンセサイザーのライブを行ったこともあります。今年は例年に比べるとやや規模を縮小したようでしたが、それでも船に設けられた舞台やスクリーン、サーチライトなどを使い大がかりなものです。アルスでの花火もリンツ市民にとっては風物詩になっているようです。

Klangwolke02

ARS ELECTRONICA 2008

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2008年9月11日 (木)

Ars Electronica 2008 レポート(8)受賞者フォーラムには木村卓氏と平川紀道氏が出演。

Prix_forum

文化庁メディア芸術祭でも審査委員と受賞者によるシンポジウムを毎年開催していますが、アルス・エレクトロニカの5部門の受賞者による受賞者シンポジウム『Prix Ars Electronica Forum』が9月7日にブルックナーハウスで開催されました。

各部門の審査委員の司会により、Golden Nicas賞および優秀賞の受賞者がそれぞれの作品に関するプレゼンテーションをおこない、その後、観客席も交えてのディスカッションになります。観客側にもそれぞれのジャンルのプロフェッショナルが大勢いるということもあり、質問が多く議論が盛り上がるのもアルスの特徴です。

コンピュータアニメーション部門では、木村卓さんが登壇し、インタラクティブアート部門では、第11回メディア芸術祭で優秀賞を受賞したソニア・チッラリ氏が司会を務め、同じく受賞者の平川紀道さんが登壇するなど、メディア芸術祭の受賞者の活躍ぶりが目をひきました。脇本厚司(CG-ARTS協会)

Prix Forum Ⅰ
Hybrid Art部門

Hybrid1

Richard Kriesche (AT):審査委員
Helen Evans (FR/UK), Heiko Hansen (FR/DE) / HEHE :Golden Nica賞『Pollstream - Nuage Vert』
Yann Marussich (CH):優秀賞『Bleu Remix』
Julius Popp (DE):優秀賞『micro.flow』

Prix Forum Ⅱ
Interactive Art部門

Hirakawa02_2

Sonia Cillari (IT):審査委員:
Julius von Bismarck (DE):Golden Nica賞『Image Fulgurator』
Jeff Lieberman, Dan Paluska (US):優秀賞『Absolut Quartet』
平川紀道(日本):優秀賞『a plaything for the great observers at rest』

Prix Forum Ⅲ
Digital Musics部門

Music

Paul D. Miller (US):審査委員
Sergi Jordà (ES), Günter Geiger (AT), Martin Kaltenbrunner (AT), Marcos Alonso (ES) / Music Technology Group, Universitat Pompeu Fabra, Barcelona, Spanien:Golden Nicas賞『reactable』
Hans W. Koch (DE):優秀賞『the benchmark consort』
Teri Rueb (US):優秀賞『Core Sample』

Prix Forum Ⅳ
Digital Communities部門

Digitalcom

Isaac Mao (CN):審査委員
Wu Yuanjing (CN):Golden Nica賞『1kg more』 http://www.1KG.org
Jeana Frost (US):優秀賞『PatientsLikeMe』 http://www.patientslikeme.com
David Sasaki (US):優秀賞『Global Voices Online』
http://www.globalvoicesonline.org

Prix Forum Ⅴ
Computer Animation / Film / VFX部門

Kimura_2

Jürgen Hagler (AT):審査委員
Chris Lavis (CA), Maciek Szczerbowski (CA) - Directors; Jason Walker (CA) - Special Visual Effects / National Film Board of Canada:Golden Nica賞『Madame Tutli-Putli』
木村 卓(日本) / Links DigiWorks inc.:優秀賞『Kudan』
Amael Isnard (FR), Manuel Javelle (FR), Clément Picon (FR) / Supinfocom:優秀賞『Musicotherapie』

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開催地 オーストリア・リンツ

会 期 200894日(木)-99日(火)

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2008年9月10日 (水)

Ars Electronica 2008 レポート(7)テーマ・シンポジウム

これまでご紹介してきたイベントや 受賞式 や作品展示に加えて、毎年アルス・エレクトロニカではカンファレンスが開催されます。カンファレンスは大きく分けて、その年のメインコンセプトに関するテーマ・シンポジウム、各部門の受賞者による Prix Ars Electronica Forum 、および各会場におけるトークイベントやシンポジウムなどがあり、今年は全部で16のカンファレンスが開催されました。

ブルックナー・ハウスで行われるテーマ・シンポジウムは、今年のメインコンセプトである「A New Cultural Economy=新たな文化経済」を軸に、伊藤譲一氏の基調講演でスタート。イーサーネット [コンピュータ]からインターネット[ネットワーク]へ、そしてさらにワールド・ワイド・ウェブ[コンテンツ]からクリエイティブ・コモンズ(創造的共有)[知識]へ。こうした開放性と相互運用性についての4つの階層を示し、進化する情報化社会における新たな経済活動と創造活動のあり方について述べていました。脇本厚司 (CG-ARTS 協会)

A New Cultural Economy Symposium I
「共有環境における制作と創造」

Foruim1

インターネットと情報通信技術によって、価値をもつものの創造と配信に要する費用が著しく下がり、新たな創造のあり方がもたらされました。「そうした新たな創造のあり方に繁栄をもたらすために必要な変化があるとすれば、それは何か」が重要な論点です。
Joichi Ito (JP) , Yochai Benkler (US) , Tim Pritlove (UK ) , Michael Tiemann (US) , Project "Knowledge Space Linz" Christian Forsterleitner, Leonhard Dobusch, Thomas Gegenhuber, Stefan   Pawel, Manuela Hiesmair, Barbara Hofmann (AT), Tim Pritlove (UK)

A New Cultural Economy Symposium II
「メディア、ファン、著作権」

Forum2_2

インターネットと情報通信技術によって、創造と配信のための費用低下がもたらされました。このシンポジウムでは、リミックスや引用や海賊版にまつわる歴史的背景の中で、インターネットの出現によってもたらされる既存メディアとの緊張関係について議論しました。Thomas Macho (AT) , Markus Wissen (DE), Volker Grassmuck (DE), Paul Keller (NL), Gerd Leonhard (CH)

A New Cultural Economy Symposium III
「科学、宗教、芸術、文学、そして真理の探究」

Forum3

既存の権威的機関に属すことないアマチュアや部外者が、インターネットの出現によって、真理の探究にどのような変化をもたらしているか、そしてその恩恵をいかに最大化するべきかについて話し合われました。AKMA (Andrew Adam) (US) , James Boyle (US), David Weinberger (US), Jonah Brucker-Cohen (US), Ronaldo Lemos (BR)

A New Cultural Economy Symposium IV
「現代の開かれた社会における政治学と集団的行動」

Forum4

インターネットによって人々は誰に許可を求めることなく参加することが可能になり、あらゆる人にコミュニケーションのための道具や意思を表す場をもたらしました。言論の自由とグローバルな意思の表明がいかに試みられているかが議論され、さらに実際に最先端の通信技術がどのように使用されているかについての例示と議論がなされていました。Isaac Mao (CN), Georgia Popplewell (TT), Elizabeth Stark (US), Jonathan McIntosh (U S), Joichi Ito (JP)

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Ars Electronica 2008 レポート(6)伊藤穰一氏が語る「新しい文化経済」

Ito02

アルス・エレクトロニカはフェスティバル開催時には毎回テーマが設定されます。作品募集時には発表されていませんが、フェスティバルの開催情報が発表される段階になってテーマが発表されます。

毎回、時代を反映したテーマが設けられますが、ここ数年のテーマを見てもINFOWAR、NEXT SEX、CODE、TIMESHIFT、HYBRID、SYMPLICITY、GOODBY PRIVACYなど魅力的なタイトルが並びます。アルスがアートやテクノロジーのみを対象にしたものでなく、社会との関わりに大きな比重を置いていることがテーマからも汲み取ることができます。

今回のテーマは、“NEW CULTURAL ECONOMY - The Limits of Intellectual Property”(新しい文化経済:知的財産権の限界)です。キュレーションを担当した伊藤穰一さんのメッセージは以下のとおりです。阿部芳久(CG-ARTS協会)

<CURATORIAL STATEMENT 伊藤穰一
コンピュータやインターネットは、コミュニケーションのコストを低減しましたが、情報の創作と流通があまりに広範囲にわたるようになったため、組織、経済、財産の根本的な概念が完全に変わり、ひいては大きな変化が求めらるようになりました。

世界中に新若者世代が存在し、その世代がこの変化し続ける世界に力を与え、テクノロジーが発展するに従ってそれを取り入れるための基本的な行動様式をも変える力を生んでいるのです。一部の企業とアーティストはこの潮流にうまくのっていますが、一方では失敗しているものもいるのです。

組織は時代遅れの法規制によるさまざまな課題に必死で順応しようとしていますが、法制度の遅れが組織に制限を課しています。価値を創出している新たな動きや組織の大半が、まったく異なる財産の概念を持っているのです。知的財産権は企業にとって脱工業化革命の鍵となりますが、現在インターネットの中心をなす共有型志向の創作にとっては利点というよりもむしろ負担となっています。

今回のアルス・エレクトロニカでは、アーティスト、経済・政治・学術分野の各人が国を越え、また立場を越えて集まり、この新しい世界を理解し状況に合わせて法制度に変化を生むことに挑みます。

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Ars Electronica 2008 レポート(5)フォトスナップ

アルス・エレクトロニカでは多くの人たちと会うことができました。メディア芸術祭や学生CGコンテストの歴代受賞者の活躍を中心にご紹介します。阿部芳久(CG-ARTS協会)

1.在オーストリア日本大使館の坂本公使を囲んで

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東京大学の企画展「campus08」と、メディア芸術祭の学生作品上映「Animation Next」の」会場に、在オーストリア日本大使館の坂本公使(右から3番目)がいらっしゃいました。約1時間にわたって作品をひとつづつ丁寧にご覧になっていました。

2.コンピュータアニメーション部門優秀賞の木村卓さん

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コンピューターアニメーション部門ではリンクスデジワークスの木村卓さんが監督した『KUDAN』が受賞しました。木村さんはメディア芸術祭や学生CGコンテストの審査委員経験者であり、CG-ARTS協会のデジタル映像表現分野のカリキュラム作りなどにも参加されています。

3.インタラクティブアート部門優秀賞の平川紀道さん

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インタラクティブアート部門では平川紀道さんの『a plaything for the great observers at rest』(写真)が選ばれました。平川さんは学生CGコンテストやメディア芸術祭などを受賞。ミラノサローネのレクサスアートエキジビジョンにも起用されています。

4.『スーパースマイル』のエフィさんと、マークスさん

Efi_2

第11回メディア芸術祭において、 『スーパースマイル』がアート部門優秀賞を受賞したエフィー(写真左)と会場で会ったときにはびっくりしました。現在彼女はベルリン大学に在学中ですが、パートナーのマークスさん(写真右)のtouched echo』がアルス・エレクトロニカで受賞したということでお手伝いに来たそうです。

5.『無限回廊』の藤木淳さん

Fuijiki_2

メディア芸術祭での受賞がきっかけにPSPのゲームになった『無限回廊』。新作のゲームとしては異例の40万本のヒットになったそうです。藤木さんは学生CGコンテストの常連でもありました。今回のアルス・エレクトロニカでは新作の受賞作とあわせて代表作のいくつかも展示していました。

6.『Tablescape Plus』の筧康明さん

Kakei_2

東京大学の企画展に『テーブルスケープ・プラス』を出展されていた筧さん。メディア芸術祭でも高い評価を獲得しています。新しい光学技術を用いた作品は親しみやすく、どこの国に行っても人気です。

7.村上史明さんと川島高さん

Kawashima_2

村上さんは『Spyglass』で第9回メディア芸術祭優秀賞を受賞しています。現在は筑波大学で講師をされていて、今回はリサーチ活動で来ているとのことでした。川島さんは2004年に学生CGコンテストを受賞、メディア芸術祭でも毎回高い評価を得ていますが、今回のアルス・エレクトロニカではテーマ展示に起用されています。

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Ars Electronica 2008 レポート(4)受賞作品展 Cyber Arts

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毎年、OKセンターでは“Cyber Arts”というタイトルで受賞作品展が開催されています。前回のレポートでご紹介したGolden Nicas受賞作品を始め世界中から作品が展示されています。
日本からの作品も多く、文化庁メディア芸術祭や学生CGコンテストの受賞者でもある平川紀道さんは今回『a plaything for the great observers at rest』で優秀賞を受賞。同作品は、地心座標と日心座標を自在に動かし、天体の動きを体感できる作品です。

Hirakawa2

ほかにも武藤努さんの『Optical Tone』、 藤木淳さんの『Extended Cognitive Tools』、アートユニット"tEnt"の『Call<_>Response』などが展示されていました。

Hikari

アルス・エレクトロニカの受賞作品には、表現に社会的あるいは政治的メッセージが込められたものが少なくありませんが、今回の展示で特に目をひいたのは、Markus Kisonの『touched echo』です。第11回メディア芸術祭のアート部門で大賞をとった『nijuman no borei』が戦争の悲惨さを映像で綴ったのに対し、欄干から肘に伝わる振動と、耳に届く爆撃音が、出来事の悲劇性を物語っています。

Touchedcho

また、最上階の上映会場では“Japanese Animation”と題して、メディア芸術祭の受賞作品が上映されています。今年で6回目となりますが、今回も満員で立見も出るほどの人気を博していました。阿部芳久(CG-ARTS協会)


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2008年9月 9日 (火)

Ars Electronica 2008 レポート(3)受賞式 GALA

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PRIX ARS ELECTRONIAの受賞GALA が、9月5日に ドナウ川河畔にあるブルックナー・ハウスで開催されました。受賞式はテレビ放送されるということもあり、カジュアルでありながらもショーアップされたものです


Nana

賞は各部門ごとに大賞であるGolden Nica優秀賞にあたるAwards of Distinction、奨励賞にあたるHonorary Mentionが贈呈され、今年から研究活動やリサーチプロジェクトに与えられるMedia Art Research A wardも加わっています。


受賞式は、フェスティバル・ディレクターであるゲルフリー ・シュトッカー氏とクリスティーナ・ショップ氏の登場でスタート。作品紹介とともに各部門の受賞者が登壇して受賞の喜びを述べると、リンツ市長 伊藤穰一 を始めとするプレゼンターによって、黄金色に輝くトロフィーが贈呈されました。 脇本厚司 (CG-ARTS協会)


■PRIX ARS E LECTRONICA 2008

Golden Nica 受賞者一覧


Computer Animation/ Film/ VFX部門

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Madame Tutli-Putli

Lavis, Maciek Szczerbowski. (Directors), Jason Walker (Special Visual Effects) (C A ) / National Film Board of Canada

www.nfb.ca/madametutliputli

夜行列車に乗 る一人の女性。彼女の荷物にはこの世の全所持品と過去からやってきたゴーストまでもが入っていたのです。蒸気機関車に導かれる旅は空想と現実の間を行きかい奇妙な旅仲間が優先座席占めています。技術の高さ、細部の精巧な処理、感動的なプロットが評価されました


DIGITAL MUSICS 部門

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Reactable

Sergi Jordà (ES), Günter Geiger (AT), Martin Kaltenbrunner (AT), Marcos Alonso (ES) / Music Technology Group, Universitat Pompeu Fabra, Barcelona, Spain

http://reactable.iua.upf.edu/

複数のユーザーが演奏するために考案された知的楽器。円形テーブル上には複数のプレーヤーのためのスペースがあり、表面には幾何学模様が描かれ、いずれも異なる音を表しています。その模様を前後に動かしたりくるくる回したりつなげたりすることで音 が変化します。直感的なインタフェースであるため、子供からプロのミュージシャンまで誰でも演奏することができます。ビョークが最近のワールドツアーでこの楽器を使用 しています


HYBRID ART部門

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Pollstream - Nuage Ver

Helen Evans (FR/UK), Heiko Hansen (FR/DE) / HEHE

http://www.nuagevert.org

常に無秩序に変化するが政治的なアイデアとメッセージを運ぶメディアとなっています。雲はまた美的要素を含んだ、炭素排出による環境汚染の象徴ともなります。レーザー技術、コンピュータサイエンス、電気工学、エネルギー生成、大気質監視の専門家らが共同で開発に携わ っています。


INTERACTIVE ART 部門

Pr_2008_fulgurator_002_m

Image Fulgurator

Julius von Bismarck (DE)

www.juliusvonbismarck.com/fulgurator

この作品は 写真操作が可能で、実際撮影する瞬間に精密に操作を行っています。フラッシュとシンクロして、写真が撮影さ れる瞬間に照準が合っている被写体上に、複数のメッセージをランダムに映写します。肉眼にはほぼ見えないこの像はぼんやり浮かびあがりやがて写真上に現れます。


DIGI TAL COMMUNITIES 部門

Pr_2008_dc1kg_001_m

1kg more

www.1KG.org

現在、中国の農村地帯には40万以上の小・中学校があり、ほとんどが教員・教科書その他の教材不足に悩まされています。”1kg more”は中国への渡航者に対して、圧倒的に必要とされている教材を1kg分余計に手荷物に入れ、それを必要としているところへ届けるよう呼び かけています。


u19 – freestyle computing 部門

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Homesick

Nana Susanne Thurner

両親と口論しショックを受けた少女が姉の部屋に逃げ込む 15歳の作者Nana手書きで描いたアニメーションと背景の写真を合成しています。子供の心情の世界を表現する真摯な短編映画に仕上がっています


ARS ELECTRONICA 2008

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2008年9月 6日 (土)

Ars Electronica 2008 レポート(2)夜中まで続くグランドオープン。

S00_2

昨日の先行オープニングに続き、アルス・エレクトロニカ2008が9月4日から本格的にスタートしました。

フェスティバル・ディレクターであるゲルフリート・シュトッカー氏が各会場を回ってオープニングの挨拶を行い、スタッフによるガイドツアーが催され、本格的なオープニングを迎えています。

S01

また、市長の開会宣言とともにオープンしたAltes Rathausの”All of Linz – A Group Photo from Above”では、高度1000mから撮影されリンツ市の精彩な写真が床および壁一面に貼られたインスタレーションが展示され、リンツ市の地理や人口データが立体的に体験できるインスタレーション作品”Linz Changing”が披露されました。

Slinz2

この作品は、1824年以前から現在までのリンツ市の地理的なデータが含まれており、リンツ市の地理的変遷を歴史的に俯瞰することができます。この作品は、リンツの都市計画を行う際に、市民へのプレゼンテーションツールとなり、意見を交換するためのコミュニケーションツールとしての役割も担っているそうです。

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ハウプト広場にあるリンツ大学のCampus08”Hybrid Ego – Toward A New Horizon of Hybrid Art“もオープニングを迎えました。今年は東京大学の研究者や作家による作品が展示されていますが、アートとテクノロジーの融合を体験できる様々な作品は、集まった来場者の興味をひきつけ、楽しみながら鑑賞する姿が非常に印象的です。また会場内では、メディア芸術祭の学生受賞作品上映展”Animation Next”も同時に始まっています。

S05live2

さらに、日没時間となる19:38から、リンツ市を見下ろす丘の上Postlingbergでグランドオープニングを開催。会場内に設けられた巨大な特設ブースで、第11回メディア芸術祭アート部門”Camera Lucida”で優秀賞を受賞したDmitry  GELFANDとEvalina DOMNITCHによるレーザー光線を用いたプロジェクションイベントも行われ、大変な盛況ぶりでした。脇本厚司(CG-ARTS協会)

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2008年9月 5日 (金)

Ars Electronica 2008 レポート(1)オープニング

Ars_electronica01_028_7 

オーストリアの小都市リンツで毎年開催されているヨーロッパ最大のメディアアートの祭典 ”Ars Electronica” が始まりました。9月4日のグランドオープニングに先立って、アルス・エレクトロニカ・センターを含むいくつかの会場で、オープニングイベントが開催されました。


afo architekturforum oöでは、作家自身によって未来型のファニチャーやプロダクト、数理モデルをオブジェ化した作品などのプレゼンテーションが行われました。また、 Landesgalerie Linz では、個々人によって異なる網膜をスキャニングした情報から、巨大なプロジェクション映像が作成されて投影されています。


Sopening1

今回のテーマである ”A New Cultural Econom y The Limits of Intellectual Property” (新たなる文化経済 知的財産の限界)は、高度に情報化した社会がもたらす新たなリアリティに対して、実践的かつ効果的なルールや統治するための規制が欠如している事実を認識し、新たな実践領域を創出する必要性を訴えています。クリエイティビティとイノベーションに基づいた新たな経済システムの樹立を望む社会の実現へ向けた提言と言えるでしょう。


展示作品に顕著であるのは、こうした新たな社会の中における個としてのアイデンティティの確立とその方法論への作家なりの回答が見られることです


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本日オープニングを迎えた u19部門でも、ゴールデン・ニカ賞(アルス・エレクトロニカの最優秀賞)を獲得した Nana Susanne Thurner の「ホームシック」は、実写とアニメーションを組み合わせた自己内省的な作品となっています。

脇本厚司(CG-ARTS協会)


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2008年8月25日 (月)

「Animation Next」アルス・エレクトロニカで日本の学生作品を上映。

アルス・エレクトロニカでの日本作品の紹介プログラムが今回新たに加わりました。

Winner_img_0021 CG-ARTS協会では文化庁メディア芸術祭で選ばれた学生作品を中心とした上映イベント“Animation Next”を9月4日から9日まで、リンツ美術工芸大学(Kunstuniversität Linz)で実施します。

Vol1_2_31 アルス・エレクトロニカのアニメーションフェスティバルでは“Japanese Animation”と題した「メディア芸術祭」の優秀作品上映を2003年から実施し人気を集めてきましたが、時間枠の関係もあり学生作品を数多く紹介することが出来ませんでした。

Artist_111 今回、学校による企画展“campus ”が東京大学であることにあわせ、同会場内に“Animation Next”と名づけたシアターを設けます。同シアターでは、メディア芸術祭で選ばれた日本の学生作品を中心にしたプログラムを上映。アニメーションなどの映像作品だけでなく、インタラクティブアートやインスタレーションなどの作品紹介ビデオなども含め、日本の次代を担う若い才能を紹介していきます。

■Animation Next
Student Art Works from Japan Media Arts Festival

会期 2008年9月4日(木)~9月9日(火)
会場 リンツ美術工芸大学(オーストリア・リンツ)

上映作品(敬称略・所属は選考時のもの)
『コタツネコ』 青木 純(東京藝術大学) 
『OH HISSE』 山川 晃(東北芸術工科大学)
『電信柱のお母さん』 坂元友介(東京造形大学)
『Birthday 』 半崎信朗(東京藝術大学大学院)
『HOW TO COOK BREAKFAST?』 山崎涼子(武蔵野美術大学 )
『雲の人 雨の人』 上甲トモヨシ(東京工芸大学大学院)
『Allegory of Media Art -メディアアートの寓意-』 津島岳央(多摩美術大学)
『DriftNet』 平川紀道(多摩美術大学大学院)
『Mountain Guitar』 金箱淳一(IAMAS)

■ARS ELECTRONICA 2008
http://www.aec.at/en/festival2008/index.asp
会場 オーストリア・リンツ
会期 2008年9月4日(木)~9月9日(火)

■関連情報LINK
第14回学生CGコンテスト作品募集(9月19日まで)
第12回文化庁メディア芸術祭作品募集(9月26日まで) 

2008年8月25日 (月) 000 メディア芸術祭, 004 学生CGコンテスト, 040 展覧会・イベント(海外), 041 Ars Electronica | | トラックバック (1)

2008年8月22日 (金)

東京大学がアルス・エレクトロニカで企画展「campus 08」を開催。

Campus_08_3 アルス・エレクトロニカでは、受賞作品展以外にもさまざまな企画展がおこなわれますが、その中一つに「campus」があります。

campusは学校による企画展で、世界中から一つの学校が選ばれ、その学生や卒業生らによって作品展示がおこなわれるというものです。日本からはIAMAS(岐阜県立国際情報芸術アカデミー)が開催したことがあります。

今まで選ばれてきた学校は、芸術大学や美術学校などが主でしたが、今年は東京大学が選ばれました。総合大学が選ばれるのは珍しいことで、東京大学の情報学環や先端科学技術研究センターなどが中心になり、メディアアート作品や表現のための研究などが幅広く展示されます。『Khronos Projector』で第9回文化庁メディア芸術祭大賞を受賞したアルバロ・カシネリさんや、アルスエレクトロニカで受賞している鈴木康広さん等も参加されています。

また、展示に加えてカンファレンスやワークショップなどもおこなわれる予定です。

■campus 08
Hybrid Ego - The University of Tokyo

http://www.aec.at/en/festival2008/program/content_event_projects.asp?iParentID=14383
会期 2008年9月4日(木)-9月9日(火)
会場 リンツ美術工芸大学(オーストリア・リンツ)

■ARS ELECTRONICA 2008
http://www.aec.at/en/
会期 2008年9月4日(木)-9月9日(火)
会場 オーストリア・リンツ

*上記ポスターは鈴木康広さんのデザインです。

2008年8月22日 (金) 040 展覧会・イベント(海外), 041 Ars Electronica | | トラックバック (0)

2008年6月25日 (水)

「アルス・エレクトロニカ2008」イベント詳細発表。

Ars2008_3 オーストリアのリンツで9月4日から始まるメディアアートの祭典「アルス・エレクトロニカ」(Ars Electronica)の今年のイベントに関する詳細情報が発表されました。

今年は「新しい文化経済=知的所有権の限界」(A NEW CULTURAL ECONOMY=The Limits of Intellectural Property)をテーマにして数多くのイベントがリンツの街のいたるところで行われます。また、アルス・エレクトロニカは来年30周年を迎えますが、開催地であるリンツ市も「メディアアートキャピタルシティ」として日々変貌しています。

今年はSIGGRAPHも「エボルブ」をテーマに掲げ、大きく変わろうとしていますが、アルス・エレクトロニカも大きく変わろうとしています。

●オープニング・イベント
9月4日 ペストリンクベルク巡礼教会
今年の「ARS ELECTRONICA」のオープニングはペストリンクベルク巡礼教会への小旅行から始まります。夕刻過ぎには音と光の演出によるおとぎの国を思わせるショーも開かれます。

●シンポジウム 
9月5日-6日 ブルックナーハウス
今年のシンポジウムはアクティビスト、ベンチャーキャピタリストとして知られる伊藤譲一さんのキュレーションにより4つのシンポジウムが開催されます。
パネル1「Commons-based Peer Production」
パネル2「Fans, Marketing and Doing Business in the Sharing Economy」
パネル3「Sharing in Reserch and Academia」
パネル4「and Law」

●キャンパス展
9月4日-9日 リンツ美術工芸大学
毎年、世界中から一つの教育機関が選ばれ、学生や卒業生、教師による作品展をリンツ美術工芸大学がホストし開催される「キャンパス展」。従来はアートとテクノロジーの統合をはかるメディアアート教育をおこなっている美術学校などが主な参加校でしたが、今年は東京大学が「キャンパス展」を行います。

●サイバーアーツ08
9月4日-9日 OKセンター
世界62カ国3,000点以上の中から選ばれたアルスエレクトロニカの受賞作品「PRIX ARS08」を展示します。

●フィーチャーアートシーン08
9月4日-9日 レントス美術館
従来、一人のフィーチャーアーティストに焦点をあてた展示を行ってきましたが、今年はスロベニアの若いメディアアートシーンをフォーカスします。1989年から1991年にかけて、旧ソ連からユーゴスラビアへと激動の時代を経験し、現在はEU加盟国の一員としてヨーロッパでも最も革新的なスロベニア。スロベニアの現代メディアアートを紹介します。

●オープンフレームス
9月4日-9日 ブルックナーハウス
アメリカ出身のZachary LiebermanとTheo Watosnの二人はブルックナーハウスの2階部分を今までにない自由な研究施設兼展示スペースに生まれ変わらせます。スチール格子造りの構造(オープンフレームス)はアーティストに様々なインスピレーションを与えます。

さらに、リンツのメイン広場ハウプト広場ではFarmland(農園)とフルーツを扱ったプロジェクトイベントがフェスティバル会期中に行われます。また「経済の共有」の概念で既に様々な異業種のコラボレーションが行われている現在のマーケットシーンを考察するワークショップ「The FutureTour@Ars Electonica」は9月8日に予定されています。

毎年ブルックナーハウスで開催されるアルスエレクトロニカの授賞式「Ars Electronica Gala」は5日に開催されます。ブルックナーハウスでは他にもデジタルミュージックコンサートや「Long Concet Evening」と題した、ピアノやパフォーマンス、エレクトリックボイスなど3部構成のコンサートが開かれる予定です。

■ARS ELECTRONICA 2008
http://www.aec.at/en/
開催地 オーストリア・リンツ
会 期 2008年9月4日(木)-9月9日(火)

■関連情報
「アルスエレクトロニカ」受賞作品発表。ニコニコ動画も受賞!

2008年6月25日 (水) 040 展覧会・イベント(海外), 041 Ars Electronica | | トラックバック (1)

2008年6月19日 (木)

「アルスエレクトロニカ」受賞作品発表。ニコニコ動画も受賞!

Photo_2 29年の歴史を持つメディアアートの祭典「ARS ELECTRONICA」の今年の受賞作品が発表になりました。今年は日本から11作品、中国から最優秀賞を含む4作品が受賞するなど、アジア勢が大健闘です。

Prix Ars Electronica(アルス・エレクトロニカ賞)は「コンピューターアニメーション」「デジタルミュージック」「ハイブリットアート」「インタラクティブアート」「デジタルコミュニティー」「u19フリースタイル」の6部門で構成されています。また、今年からは「メディアアートリサーチ」賞という論文に対する賞が新たに設けられました。

今年は世界62カ国から3,075作品の応募があり、世界12カ国から構成される国際的な審査委員たちによって6作品のGolden Nicas(最優秀賞)と、12作品のAward of Distinction(優秀賞)、72作品のHonorary Mentions(栄誉賞)が選ばれました。

Ars2008_2 Golden Nicasではコンピューターアニメーション部門でカナダの『Madame Tutli-Putli』(写真)、デジタルコミュニケーション部門で中国の小中学校の登録システム『1kg more』が選ばれたほかは、ヨーロッパ勢が占めています。

Ars20084 Award of Distictionでは日本から2作品が受賞。インタラクティブアート部門では「第8回メディア芸術祭優秀賞」や「第10回学生CGコンテスト最優秀賞」を受賞している平川紀道さんの『a plaything for the great observers at rest』(写真)が選ばれました。この作品は「太陽」と「地球」をコンセプトモデルにしたインスタレーション作品で体験者が地球の自転と太陽の周回を操作しそのダイナミックさに触れることが出来る作品です。

Ars20081 コンピューターアニメーション部門ではリンクスデジワークスの木村卓さんが監督した『KUDAN』が受賞。人間牛身になった父親と子供の関係を通じて、人間関係や社会構造を描いた短編作品です。木村さんは映像制作の傍ら、CG-ARTS協会のデジタル映像表現分野のカリキュラム作りなどにも参加されています。

Honorary Mentionsのインタラクティブ部門には「第7回学生CGコンテスト最優秀賞」「第10回メディア芸術祭優秀賞」受賞の藤木淳さんによる『Extended Cognitive Tools』をはじめ、国際メディア研究財団所属、武藤 努 さんの『Optical Tone』、歌人穂村弘さんとNTTサイバーソリューション研究所の石井陽子さんの作品『It's fine, you can touch it』3作品が入賞しています。

ハイブリットアート部門では、昨年のデジタルミュージック部門のGolden Nicasを受賞した三輪眞弘さんがイギリス人アーティストと組んだ作品『Thinking Machine』や日本人アートユニット"tEnt"の『Call<_>Response』が入賞しています。デジタルミュージック部門でも日本から3作品が入賞し、デジタルコミュニケーション部門では『ニコニコ動画』が入賞しています。

今年の「ARS ELECTRONICA」のテーマは「A NEW CULTURAL ECONOMY~The Limits of Intellectural Property : 新しい文化経済~知的所有権の限界」です。近年急速に発達したネット社会の中で知的所有権の価値や情報の自由と著作権の保護、さらに新しい創造や発見をもとに新たな経済圏を模索する社会を様々な角度から検証しようとしています。

来年30周年を迎える「ARS ELECTRONICA」。開催地リンツは「メディアアートキャピタルシティ」として、すでに動き始めています。メディアアートの展示、教育プログラム、リサーチセンターを兼ねた新しいアルスエレクトロニカセンターも来年オープン予定です。

■ARS ELECTRONICA 2008
http://www.aec.at/en/prix/index.asp
開催地 オーストリア・リンツ
会 期 2008年9月4日(木)-9月9日(火)

■関連リンク
Ars Electronica Prix
平川紀道『a plaything for the great observers at rest』 
木村卓『KUDAN』 
武藤 努 『Optical Tone』 
"tEnt"『Call<_>Response』 
『ニコニコ動画』 
Ars Elecrtonica2008ブログ

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