これまでご紹介してきたイベントや 受賞式 や作品展示に加えて、毎年アルス・エレクトロニカではカンファレンスが開催されます。カンファレンスは大きく分けて、その年のメインコンセプトに関するテーマ・シンポジウム、各部門の受賞者による Prix Ars Electronica Forum 、および各会場におけるトークイベントやシンポジウムなどがあり、今年は全部で16のカンファレンスが開催されました。
ブルックナー・ハウスで行われるテーマ・シンポジウムは、今年のメインコンセプトである「A New Cultural Economy=新たな文化経済」を軸に、伊藤譲一氏の基調講演でスタート。イーサーネット [コンピュータ]からインターネット[ネットワーク]へ、そしてさらにワールド・ワイド・ウェブ[コンテンツ]からクリエイティブ・コモンズ(創造的共有)[知識]へ。こうした開放性と相互運用性についての4つの階層を示し、進化する情報化社会における新たな経済活動と創造活動のあり方について述べていました。脇本厚司 (CG-ARTS 協会)
A New Cultural Economy Symposium I
「共有環境における制作と創造」
インターネットと情報通信技術によって、価値をもつものの創造と配信に要する費用が著しく下がり、新たな創造のあり方がもたらされました。「そうした新たな創造のあり方に繁栄をもたらすために必要な変化があるとすれば、それは何か」が重要な論点です。
Joichi Ito (JP) , Yochai Benkler (US) , Tim Pritlove (UK ) , Michael Tiemann (US) , Project "Knowledge Space Linz" Christian Forsterleitner, Leonhard Dobusch, Thomas Gegenhuber, Stefan Pawel, Manuela Hiesmair, Barbara Hofmann (AT), Tim Pritlove (UK)
A New Cultural Economy Symposium II
「メディア、ファン、著作権」
インターネットと情報通信技術によって、創造と配信のための費用低下がもたらされました。このシンポジウムでは、リミックスや引用や海賊版にまつわる歴史的背景の中で、インターネットの出現によってもたらされる既存メディアとの緊張関係について議論しました。Thomas Macho (AT) , Markus Wissen (DE), Volker Grassmuck (DE), Paul Keller (NL), Gerd Leonhard (CH)
A New Cultural Economy Symposium III
「科学、宗教、芸術、文学、そして真理の探究」
既存の権威的機関に属すことないアマチュアや部外者が、インターネットの出現によって、真理の探究にどのような変化をもたらしているか、そしてその恩恵をいかに最大化するべきかについて話し合われました。AKMA (Andrew Adam) (US) , James Boyle (US), David Weinberger (US), Jonah Brucker-Cohen (US), Ronaldo Lemos (BR)
A New Cultural Economy Symposium IV
「現代の開かれた社会における政治学と集団的行動」
インターネットによって人々は誰に許可を求めることなく参加することが可能になり、あらゆる人にコミュニケーションのための道具や意思を表す場をもたらしました。言論の自由とグローバルな意思の表明がいかに試みられているかが議論され、さらに実際に最先端の通信技術がどのように使用されているかについての例示と議論がなされていました。Isaac Mao (CN), Georgia Popplewell (TT), Elizabeth Stark (US), Jonathan McIntosh (U S), Joichi Ito (JP)
■ARS ELECTRONICA 2008
http://www.aec.at/en/
開催地 オーストリア・リンツ
会 期 2008年9月4日(木)-9月9日(火)
■関連情報
Ars E lectronica ファイル (メディア芸術祭ブログ)
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第14回学生CGコンテスト作品募集 (9月19日まで)
第12回文化庁メディア芸術祭作品募集 (9月26日まで)