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2008年1月30日 (水)

メディア芸術祭のみどころ(3)〜私たちの国の文化としてのメディア芸術〜

私たちの自国文化への理解は、どのようなイメージによって形成されているのでしょうか。テクノロジーを用いたアート、あるいはゲームやマンガやアニメなどの日本のサブカルチャーが世界でもてはやされている今日、こうした対象は自国文化の誇るべき存在として認識されているのでしょうか。

日本の温暖湿潤な気候風土には四季があり、季節の移ろいが見せる繊細な情景が、私たちの細やかな情感を育て上げて来た土壌であると言っても過言ではないでしょう。日本美術の歴史を繙いてみると、幽玄な山水画や巧みに描かれ展開される絵巻物、精巧な仏像など、こうした土壌から生み出された優れた美術品には枚挙に暇がありません。さらに、これらが有する歴史的価値と、受容されてきた社会的背景という観点からすれば、戦後発展を遂げたマンガやアニメが比較対象として俎上にのることはないでしょう。しかしマンガやアニメにおけるストーリー展開や表現描写の細やかさ、繊細で丹念な職人的技術には、歴史を通じて培われて来た表現文化に通底する要素が見られることは確かです。こうした表現のあり方は、まさに日本が誇れる文化だと言えましょう。

確かに、「クールジャパン」という言葉に疑問を投げかける声も少なくありませんが、一方でその声を受けるかたちでの新たな提言も実際にはあまり生み出されていないように思われます。海外から伝わってくる日本文化への熱烈な視線を傍観者として受け取るのではなく、クールとは何であるか、また何であるべきなのかを認識し、ゲームやマンガやアニメが海外で人気を博しているという事実を、私たち日本人が誇れる自国の文化として、国内からとらえ直してみるよい機会だと思います。【CG-ARTS協会 脇本厚司】

2008年1月30日 (水) メディア芸術祭 |

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