メディア芸術祭の指し示すメディアアート
「文化庁メディア芸術祭」は、メディアアートの現況がいかに幅広く多様であるかを認識させる展観となっている。
メディアアートは、美術において1970年代に顕在化した動向だった。それは広範でかつ強い伝達力を持つ、マスメディアを表現の手段とするアートを指している。一定の流派や運動体ではなく、何か特定の素材を用いる訳でもない。このような美術が注目されたのは、60年代末以降にM.マクルーハン(1911-80)のメディア論が喧伝されたこととも大いに関わりがあろう。
近年に至り、個人にも普及したコンピュータがコミュニケーションにおいて大きな比重を占めるようになり、また携帯電話や情報技術(IT)の飛躍的な進歩により、コンピュータグラフィック(CG)やインタラクティブアートといったデジタルテクノロジーを駆使した作品がメディアアートの大きな部分を占めるようになる。とはいうものの、テクノロジーを謳歌する作品が、テクノロジー自体の消長に応じて迅速に陳腐化していった光景を我々はしばしば目にしてきている。大阪万博以降における、そのような美術の廃墟を取り上げるなら枚挙にいとまがない。
では、このメディア芸術祭の指し示すメディアアートはいかなるものか。行政の冠が掲げられていることからも解るように、その領域は広く包括的なものだ。出品作はアート/エンターテインメント/アニメーション/マンガの4部門に分類されており、描くことの初源をみせるローテクなものから、テクノロジーの粋を集めたハイテクにまで及んでいる。総じてエンターテインメント色は強いが、ジャンルが混在することによってそれぞれが相対化されており、テクノロジーが謳歌されるばかりでもないし、ジャンルの自律性が強調されるだけでもない。作品の持つコンセプトの明快さ、メッセージ性の強さが評価の基準となっている。ここに出品された作品に触れることで、メディアという思考方法がもつ、浸透力や普遍性を実感することになるはずだ。

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Japan Media Arts Festival (文化庁メディア芸術祭) at Tokyo Metropolitan Museum of Photograp... 続きを読む
受信: Mar 4, 2005 6:02:40 PM


