明後日の3月3日に行われるシンポジウム「デバイスアート・シンポジウム-メディアアートはこう作る!」を前に「デバイスアート」について取り上げてみました。
■「デバイスアート」とは?
SIGGRAPHやArs Electronicaでこのところ毎年、日本からのメディアアート作品やプロジェクトが席巻し、そのユニークさで注目を集めます。今回のシンポジウムでは、こうした状況を読み解く鍵として「デバイスアート」という新しい概念を提案します。

■「デバイスアート」の特徴
(1)コンテンツとツールや技術・素材が一体化
テクノロジーを駆使するアーティストやアート作品を作る工学者が担い手となり、ハードウェアを道具や手段として下位に置くのではなく、モノ(道具、素材)とコト(コンセプト、体験)が統合された作品をつくりだします。「先にコンセプトありき」の西欧型芸術論へのアンチテーゼとも言えるでしょう。
(2)作品体験がもたらすプレイフルネス
コンセプトを押しつけるのではなく、まず楽しんでほしい、というのが作者の姿勢です。そして科学技術の持つ面白さ、意外さを、ユーモアと洗練された使い方で納得させてしまう、センス・オブ・ワンダーが実現されています。

(3)従来の「芸術」の枠にはまらない
デバイスアートは、アートとテクノロジーの関係や作品とシステムの区別など、メディアアートの中で曖昧にされてきた問題に挑戦します。また、積極的に商品化されたり、新しい形態のエンタテイメント産業の一翼を担うことにより、先端メディア技術によって変化しつつあるアートの意味を問い直しています。
(4) 日本文化の伝統が先端技術と結びつく
洗練された道具に対するリスペクトという点は、茶道、華道などの伝統的日本文化に通じるものがあります。また、遊び心の果たす役割や、アーティストによる作品の商品化は、日本の伝統芸術や工芸などの流れを汲むものでもあるでしょう。実はかなり深いところで、アーティストたちの発想の原点に、技へのこだわりや見立ての美学など、日本的な美意識がさまざまな形で生きているのではないでしょうか。
当日は、国際的に注目されるこのジャンルで活躍するアーティストの明和電機 土佐信道氏や、昨年のメディア芸術祭大賞受賞者 クワクボリョウタ氏を迎え、その発想の原点とこだわりを分析します。
技術と素材の持ち味を生かしながら、思いもよらない経験をさせてくれる、プレイフルな「デバイスアート」。このシンポジウムに是非ご参加ください!
□日時:3月3日(木) 18:00~19:30
□場所:東京都写真美術館1Fホール
□出演:岩田洋夫[筑波大学教授]/土佐信道[明和電機]
クワクボリョウタ[デバイスアーティスト]/児玉幸子[メディアアーティスト]
司会:草原真知子[メディア芸術祭アート部門主査]